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電子顕微鏡の場合

電子顕微鏡は、電車内で人が感じる振動量よりはるかに小さい振動量(約1μm)で像ブレを起こします。特に電子顕微鏡は水平方向の振動量に影響されます。

電子顕微鏡の設置環境測定では変位量はμm、加速度量はcm/s2=Galで表わします。

これらの単位系を考慮すると、「詳しい説明」項の(2)式を元に変位振幅A(μm)の変位量から、

加速度の絶対量 α(Gal)は α=A*(2πf)2/104 (cm/s2=Gal)・・・(3)

とあらわされます。

電子顕微鏡の設置環境測定結果における変位量データを加速度に換算すると下図のようになります。

変位量では8Hz以下が主成分ですが、加速度量ではそれらは小さくなり11~14Hzが主成分となります。

振動量を評価する場合、変位でも加速度でもどちらも同じ振動量にちがいはなく、どちらでも評価はできます。しかし電子顕微鏡は周波数2Hz以上で約1μmの振動変位量でも像障害になる場合があります。

そのため設置環境測定では0~20Hzまでを変位量、0~200Hzまでを加速度量で評価することで、お客様の設置場所が電子顕微鏡の性能をフルに発揮できる場所であるかを評価できます。